カメを飼う前に
カメを飼う前に気をつけてもらいたい注意事項を6つ載せてます。
これからカメを飼育しようとしている方はご参考に。
1.信頼できるショップを選ぼう。
動物愛護管理法の改正(平成25年9月)により、動物取扱業者はあらかじめ購入者に対して現物確認・対面説明することが義務づけられました。通信販売は禁止されていませんが、無資格の個人の方に対しては対面販売が義務化になり、実質その店舗まで現物を見に行っての輸送となり、通信販売での購入が難しくなりました。そのため爬虫類の飼育を検討している方は信頼できるショップを見つけるのが大前提となります。これからカメと長い付き合いになるか、そうではないかの分かれ目になる所です。
ショップでの購入の場合、飼育環境が適切でありカメが健康であるかが重要になってきます。ケージの中が綺麗に掃除されていて、温度が適温に保たれているか。
個体のチェック方法
・目がぱっちりしていて腫れたり、閉じたりしていないか。
・口が開けっ放しになっていいないか。
・甲羅や手足に傷、カビがないか。尻尾がきれていないか。
・元気に動き回っているか。
・甲羅の模様や顔が自分の好みであるか。
以上が私が購入する場合のチェック項目です。
ショップによっては、飼育環境が悪い場合があります。
私の近所ではホームセンター等では飼育環境が行き届いてない所が多々ありました。
中には死んでいるカメをそのままにしている所も。
早く家族の一員にしたい気持はわかりますがそういう場所での購入は控えましょう。
万が一子ガメの場合、病気になると元の元気な姿に戻すのは難しいです。
ペットショップでの購入が妥当です。
2.カメには甲羅干しが必要不可欠です。
爬虫類は変温動物です。
カメももちろんその仲間で、周りの温度によって体温が変化します。
殺菌作用もあり、体温を上げエサの消化をよくするために甲羅干しをします。
そして一番大事なのが、カメは甲羅があるため多くのカルシウムが必要になってきます。
日光浴によってビタミンD3が合成され、カルシウムの吸収を助けてくれます。
冬場はヒーター、室内飼いの場合は紫外線ライト、ホットスポット用ライトが必要です。
できるだけ、日光が当たる場所で飼育してあげましょうね。
足をピンとして甲羅干ししている姿はなんともいえないですよ。
3.カメ(ミドリガメ・クサガメ・イシガメ)は想像以上に大きくなります。
店頭などで、売られているのは生後2週間~2ヶ月くらいの子ガメです。
1匹ではかわいそうだし、小さくてかわいいからといってたくさん購入すると後で飼育の大変さに気付くことになります。
500円玉くらいの大きさが、1年で2~3倍の大きさに。上記写真はすべてミドリガメです。
徐々に大きさが違うのがわかると思います。一番左がミドリガメのギャメラです。
比較のため他のミドリガメと大きさを比べています。
子ガメから飼育でも5年ほどでこれほど大きくなります。
ミドリガメに限らず、銭亀として売られているクサガメも、ニホンイシガメも同様に個体の差はあれど成長は早く想像以上に大きくなります。一般的には雄(オス)より雌(メス)の個体のほうが大きく成長します。
飼育しているミドリガメも約4年で甲長3cmのカメが16cmになっています。
上記写真は他のカメとの比較写真。左からミドリガメ、ニホンイシガメ、ミシシッピニオイガメと比較しています。※ミシシッピニオイガメは世界最小のカメと言われています。成体でも10cm前後までしか成長しません。
それに伴い、水槽(ケージ)も大きなものが必要になってきます。
ショップで購入した子ガメの場合でも、はじめは大きすぎると感じるかもしれませんが、よく売られているカメ飼育セットはすぐ不要になるため購入はしないでください。経験上最低でも60cm水槽を購入してください。
カメは単独飼育が基本です。複数飼いの場合、60cm水槽でも子ガメの時はいいですが大きくなるにつれ飼育しきれなくなります。60cm水槽で飼育困難になった方が次に利用するのが衣装ケースです。多くの方が利用されている衣装ケースでも成体になると一匹が限度です。それ以降は庭に池、プラ舟、トロ舟などで代用する必要があります。幼体の時は室内飼育でも成体になると屋外飼育がメインになってきます。
我が家のカメも6回引越しをしています。
広さだけではなく、高さも注意しなければいけません。
カメの前足がケージにかかれば脱走する可能性が高いです。屋内飼育での脱走ならまだしも屋外飼育で脱走した場合、最悪見つからない可能性がでてきます。私も飼育中に脱走されました。それと屋外飼育の場合、脱走防止もかねて、全方位を囲むようにしてください。屋外にはカメの天敵(カラス、猫、イタチ、アライグマ等)がいます。私の飼育地域でもカラス、アライグマが頻繁に出没します。都会に住んでいる方も大丈夫だろうと安心せず、必ず、上部には害鳥・害獣ネットをはってください。成体のカメでもカラスなどは簡単に連れていきます。
設置場所、スペースの問題もでてきます。
アパート、マンションでの飼育はどちらかといえば不向きです。
理想は広い庭付きの一軒家です。
子ガメの時はいいですが、大きくなるにつれて水槽(ケージ)も大きくなり、衣装ケースくらいまでが室内で飼育できる限界です。成体になっても室内飼育を検討している方は、お風呂場ほどの設置スペースを覚悟しておいたほうがいいです。エサの量も増え、排泄物もそれに比例して多くなります。夏場などは最低でも3日に一回は水替えが必要になり、かなりの重労働を伴います。飼育スペースが限られてるならば、ミドリガメ、クサガメ、ニホンイシガメではなく、成体でも60cm水槽で飼えるミシシッピニオイガメやカブトニオイガメがおすすめです。
4.カメは長生きです。
水棲ガメのミドリガメの場合、寿命20~30年です。
陸棲ガメになるともっと長生きで、50年以上。100年以上生きた報告もあります。
鶴は千年、亀は万年と言われるようにカメはペットの中でも長寿の部類です。
猫や犬とは違い、カメは飼育の仕方によって一生のペットになります。
なかには親から子、子から孫へと世代交代して飼育している方もいます。
数十年、今と変わらず愛情を持って飼育できますか?
5.カメに触った後は必ず手を洗いましょう。
サルモネラ菌を保有している可能性があるのはカメだけ?
いいえ、違います。
カメに限りらず、猫や鳥などにもサルモネラ菌を保有している可能性があります。
意外と知らない人も多いようです。カメに限らず、動物を触った後は必ず手を洗いましょう。
我が家では、カメ以外に猫を室内で飼っています。
子供がまだ小さいため、動物に触った後は必ず手を洗わせるように教育しています。
きちんとした飼い方、接し方をしていればそれほど気にする必要もないと思います。
以前、ミドリガメカメのサルモネラ菌が原因で1歳と6歳の子が重症になったことがありました。
その結果、文部省が出した答えが・・・
ミドリガメの飼育を学校でも自宅でも控えるようにとの内容。
「飼育しているカメを処分して下さい」。と言ってるようなものです。
危険だから駄目と言う前に、正しい接し方、飼い方を教えるのが先ではないでしょうか。
小学校などでは、カメ以外にウサギや鳥などを飼育している所も多々あると思います。
それらが問題を起こせば、処分・・・、動物にとってはたまったもんではないですね。
最近は、リセット世代だと言われています。
テレビゲームなどが原因で、事件の低年齢化が進んでいます。
こんな時代だからこそ、情操教育に生き物を飼育することが重要なんではないでしょうか。
6.最後まで責任を持って世話すること。
カメに限らず、動物を飼育することはそれなりの責任が伴います。
天寿をまっとうするためにも、少しでも良い環境でのびのびと世話をしましょう。
ミドリガメはもともと日本にいたカメではありません。
1960年代にペット用に輸入されそのまま帰化しました。
飼育しきれなくなり、川や池に捨てられたのが原因。
ミドリガメ自体が悪いわけではありません。飼育している飼い主の問題です。
丈夫で繁殖力もあるミドリガメは増え続けました。
その結果、日本固有のクサガメやニホンイシガメが激減し、問題になってます。
カメを放すことによってさまざまな生態系が崩れてます。
環境省ではミシシッピアカミミガメは生態系被害防止外来種リストにおいて、緊急対策外来種に位置付けられています。
詳しくは外来生物法で述べてます。
世話をしきれなくなったからといって、捨てるのはやめましょうね。
どういう状況であれ、一旦飼いだしたら最後まで面倒をみましょう。
どうしても飼育できなくなった場合は、里親を探したり、ペットショップ等でも
引き取ってくれる場合があります。色々探しましょう。
責任を持って末永く大切に育ててくださいね。
いつかきっとカメがあなたに幸運を運んできてくれるでしょう。